中野信子著『空気を読む脳』の同性愛の科学

LGBTのL

LGBTのLとして30年あまりを過ごしてきました、ししまるです。
最近、脳科学に興味があって、女性が書いている脳科学の本を読みたいと思い手に取りました。


中野信子著『空気を読む脳』

しかし!この本で好奇心を掻き立てられたのは脳科学うんぬんよりも

「同性愛の科学」

の項でした。

私のLGBTのLという属性に直接的なことが書かれていることを知らずに読んでいたので、「同性愛」について書かれていたことに驚きました。さらに、最近の研究はずいぶん進んでるのだなとも、びっくりしました。私が主に、同性愛などなどについて勉強していたのは大学生の頃、もう10年以上前!だから、そりゃ進化してるかとも思うのだけれども。

以下、私がびっくりした内容のポイントです。


・同性愛は人間だけのものではなく、動物界では全世界で450種類以上の動物に、求愛、ペアリング、ペアレンティングを含む同性愛行為が記録されている(バシェミール)。観察例だけでいえばもっと多く、約1500種で確認されたという報告もある。


・オアフ島で実施されたハワイ大学の調査では、アホウドリの性行動として、つがいの1/3がメス同士であることが判明。

本書に書かれていた同じ内容がこちらのページで分かりやすく図解がされており、とても可愛かったので、リンクを貼らせていただきます。

・家畜の羊もオスの約10%は、メスと交尾をすることを拒否し、ほかのオスと交尾をする。


・子孫繁栄に寄与する同性愛遺伝子
同性愛者男性の女性の親戚は、ストレート男性の女性の親戚の1.3倍子どもがいることを示した(カンペリオ=キアーニらの研究グループ)


・「ヘルパー仮説」「ゲイの伯父(叔父)仮説」
同性愛者の伯父(叔父)は血縁者の子育ての手助けをよくするため、自分は子を作らなくともその遺伝子が残りやすい、という考え方。

著者の中野さんは、政治家の発言として問題となった「排外性の対象としての同性愛の”生産性”」に焦点を当てて反論している論調で興味深かったです。


最後には、「自分とは異なる存在を排除しようという機構が働くのがヒトの脳の特性でもあり、『マイノリティを排除せずにはいられない』という個体がヒトの群の中には常に一定数生じるその仕組み自体もまた興味深いものです」と閉じています。


興味深く観察してくださっているのは、ありがたいけど、なんか上から目線(マジョリティからの視線?)なのは、専門家として客観的な視点を意識しての書き方だからしょうがないんでしょうけど、政治論争や宗教論争に巻き込まれたこっちの身にもなってよ〜〜とは少し感じました。


本書は、同性愛のことをメインに扱っている本ではないのですが、こういうところにポジティブな情報がさらっと登場しているのがいいなと思いました。はい、こちら脳科学の本です。全体的に勉強になって面白い本でした。

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