株を始めてみたいけど、損をするのは嫌、そういうふうに思っている人は多いと思います。
株は、損するリスクがとても大きい投資商品です。
しかし、リスクをとるからこそ、リターンがある、それが投資なのです。
株を始めてみたはいいけど、買った株の株価がどんどん下がっていく!
損切りが大事なことは分かっているけど、損切りができないという株初心者さんに向けてこの記事を書いています。
何を隠そう私が、その当事者です。
2020年2月おそるおそる、初めて日本の個別株を購入しました。
その後コロナショックに見舞われ、
見事にその株価がどんどん下がっていきました。
その株を未だに損切りできずに見事に塩漬け状態になっているのです。
そんな塩漬け株をなんとかしたい!
と思い、私 ししまる の
【はじめての損切り】について3記事に分けて公開予定です。
【はじめての損切り:前編】「分かっちゃいるけどできない —損切りに必要な3つのこと」
【はじめての損切り:後編】「はじめての損切り体験―学んだ3つのこと」
【はじめての損切り:総集編】「損切りしたらこうなった —本当に損切りは必要なのか」
今回は【はじめての損切り:前編】「分かっちゃいるけどできない —損切りに必要な3つのこと」をお届けします。
損切りとは
損切りとは
「損切りとは、投資家が損失を抱えている状態で保有している株式等を売却して損失を確定させることをいいます。ロスカット、ストップロスとも呼ばれます。購入した株式の価格が下落して、その後の回復が見込めないと判断できるケースでは、損切りが有効と考えられます。そのまま保有し続けた場合、さらに株価が下落して損失額が膨らむ可能性もあるため、損切りをして損失額を確定させることで、それ以上損失が膨らまないようにすることができます。」
SMBC日興証券「初めてでもわかりやすい用語集」
つまり…損切りとは
株価が買った値段よりも下がって、
買ったよりも安い値段で、売って損を確定させること。
当たり前ですが、投資家は皆、買った値段より株価が上がっていくことを願って株を買います。そのため、株価が下がって損を確定することは投資家に取っても苦渋の決断となります。
株価が購入価格よりも下がっても、それを売却しなければ損は確定しません。損した株価は「含み損」を抱えている状態になります。
※含み損…株価が購入価格よりも下がっている場合の差額/その時点での損
損のまま抱えていればいつかその株価が上がるという可能性があるので、なかなか損した株を売って損を確定することは難しいのです。そして、あれよあれよと含み損を抱えたまま保有し続け、その株は「塩漬け株」と化すのです。
※塩漬け株…買った株が大きく値下がりし、損切りするのも躊躇してそのまま保有を続けた結果、含み損を抱えた状態になっている株
日常生活の損切り
実は私たちの日常生活でも損切りしようか迷う場面は多くあります。
例えば、皆さんは着ようと思って買った服が着ないままタンスに眠っていることはありませんか。そんな服を、着ないからと、バッサリ捨てられますか?
いつか着るかも、痩せたら着るかも、と「タンスの肥やし」になっていることがあります。
実は、株も同じなのです。
着ようと思って買ったけど着ない服を捨てること=損切り
タンスの肥やし=塩漬け株
しかし、株で儲かっている人は口を揃えていいます
「儲けるには損切りは必須」と。
なぜ損切りは必要なのでしょうか。
何のために損切りが必要なのか
そのままで損失が拡大する可能性が大きいため
タンスの肥やしになっている服を再び着る可能性は非常に低いです。着ないからタンスの肥やしなのです。同じように、下がっていく株価が再び上昇に転じるには相当のエネルギーを要します。下降トレンドに入った株は、さらに下がって、さらに損失が大きくなる可能性が非常に高いのです。下がった時に損切りができれば、損失は最小で済むのです。
含み損の保有は機会損失を生んでいる
含み損の保有はさらなる損を生み出す可能性が大きいので、下がっている株は売って、売ったお金で上っている株を買えば、利益を生み出します。含み損の株をもったままでは、新しい株を買うことはできません。それは機会損失を生んでいるのです。タンスの肥やしになっている洋服も、捨てれば新しい服を買いたいと思いますよね。たくさんの着ない洋服をもっていると、新しい服を買う機会を逃していることもあります。
塩漬け株の保有はメンタルにも悪い
含み損を抱えた株を見るたびに無意識的にストレスになります。自分は、能力のない投資家だと暗示がかかってしまいます。それが積み重なると市場からの退散も余儀なくされます。いちばんの負けは、負けたまま株式市場から退散することだと思います。損切りをマスターして市場で生き残りお金をふやしていきたいですよね。
分かっちゃいるけど損切りできない理由
損切りが必要なことは分かっているけど、実際にできない!
それは私たちがAIではなく人間である証拠でもあります。
人間には主として生き残る本能として「損失回避バイアス」が備わっているのです。
損失回避バイアス
「得したい」という感情よりも
「損したくない」という感情の方が強い という認知のゆがみ
詳しい説明は とてもわかりやすい「どんまブログ」さんの記事をご参照ください。
ししまるの塩漬け株のリアル
さて、ここで ししまるが保有し、損切りしたいと思っている銘柄を紹介します。
東証マザーズ【7048】ベルトラ
主に海外旅行の現地ツアーをオンラインで販売している会社
2020年こそは株を買ってみよう!と色々な本を読み、自分の興味のある分野で、株価が手の届く範囲で、見つけたこちらの銘柄。
IR情報をみて決算を確認し、ドキドキしながら指値を指して、2020年2月18日に購入しました。
そこからコロナ騒動が旅行業界を直撃!
株価はみるみるうちに落下!
上下はあるものの、今まで購入価格を上回ったことはないのです。

まさしく「塩漬け中」です。
100株が最小単位ですので、8.9万円で100株購入、
それが現在5.58万円です。
約37%下落、約3.3万円の含み損を抱えています。
しばらくは、このまま上昇することはなさそうなので、一度整理したいと思っているのです。
でもね、損切りができないの。。
人間の「損失回避バイアス」の存在を知ってもできないのです。
みんな、そうなのかな。
そこで次の3つの準備をしました。
損切りに必要な3つのこと
損失の2倍以上の価格を先に利確しておく
「損失回避バイアス」が原因なら、損をしたくないという感情を消すために、
約2倍の利益があればよいのだと考えました。
実は、この塩漬け株購入後に他の銘柄も購入し、
コロナ禍で上がったものもあり、一度上がった銘柄を売却して
税引後6.3万円の利益を確定させていました。
そのことを思い出し、ならば3万円の損とかは気にしないで損切りしよう!
という気持ちになれたのです。
損切りのマインドセットを変える
そもその「損切り」というネーミングが、できないを加速させます。
私が敬愛する株講師の藤川里絵さんがYouTubeでおっしゃっていたのは、
損切りは「損を確定する行為」ではなく、
「未来の利益を確保するポジティブな行為」であるとマインドセットを変えようということでした。
ちょうど、ししまるもマインドセットについて書いていたところでした。

しばらく、損切りは、損の確定ではなく、「未来の利益のための心の傷」と捉え直しています。
売った後の資金の使い道を決める
損切りした後の資金をただ口座においておくだけでは、それもまた機会損失になります。そのため、売却したお金で購入する銘柄を検討しました。
私は売却した価格と近い価格の、前から気になっていた、上がり調子の銘柄を買うことに決めました。
損切りへの意気込み
さて、ここまで書いて、やっと損切りするか、、
という気持ちになってきました。
しかし、ちょうど今日さらにまた株価が下がったりして、
迷いが生じることも。
でも、このご時世、
「損切りはしない」と言っていた株の神様、バフェット様さえも航空株の損切りで損失5兆円!
だそうですので、私の3万円なんぞ大したことがないのかも。
さらに、ししまるは、【はじめての損切り:後編】を書くためにも意を決して、損切りしますゾ!
投資家として成長するために!未来への利益のために!!
【後編へつづく】